タイトル |
『情報セキュリティの基盤技術 暗号技術の最新動向』 |
講演者 |
松井 充 氏 工学博士
三菱電機株式会社
情報技術総合研究所 技師長 松井暗号プロジェクト統括 |
講演概要 |
かつては軍事外交のための秘密技術であった暗号は、現在ではプライバシー保 護という新しい役割を担い、ICカードや携帯電話、車など、我々の身 近なと
ころで幅広く利用されています。 もはや暗号なしで一日を過ごすことが困難な 時代になりました。 本講演では、身近な暗号技術の利用例、な らびに今後の
実用化が期待されている新しい暗号の姿などを紹介します。 |
経歴 |
1987年 京都大学理学研究科数学専攻修士課程卒
同年 三菱電機株式会社入社
以降 暗号技術の研究開発に従事
1999年 欧州にて第三世代携帯電話標準暗号KASUMIの開発に参画
2003年 市村産業賞本賞受賞
2004年 全国発明表彰恩賜発明賞受賞
情報理工学博士(東京大学) |
講演者ご紹介 |
〔三菱電機株式会社ウェブページより〕
1990年、誤り訂正符号の研究をしていた三菱電機の研究所員 松井充は、ふとしたきっかけである論文を目にします。その論文とは、後に「差分解読法」として広く世に知られる、イスラエルの暗号研究者が著したものでした。この論文によって暗号解読に興味を持った松井は、独力で当時15年間にわたり破られることがなかった米国の標準暗号「DES」の解読に取りかかり、1994年に誰もがなし得なかったDES解読を達成しました。松井の偉業は、世界の暗号研究者たちを大いに驚愕させました。
三菱電機は、DES解読の経験を生かし、より安全性の高い理想の暗号アルゴリズムを開発するために「情報セキュリティーシステム開発センター」を設立しました。松井を中心に新暗号アルゴリズムの開発に着手し、1995年、高い安全性を持った新しい暗号アルゴリズムの開発に成功。この暗号アルゴリズムを「MISTY」と名付けたのです。
http://www.mitsubishielectric.co.jp/security/learn/info/misty/road.html |